ライブハウスに入ると、The Glamの「病にロック」というイベントが特別なものになることが君もすぐにわかるだろう。ライトが落ちていて、ターンテーブルでは特別ゲストDJ正吉さんが回している。もう既に沢山の人たちが入っていて楽しそうに話をしている。そこには何かを期待するような雰囲気がある。この類のテンションを最高潮ににするのはロックンロールのパワーだけだ。
Randy And The Pyramidsがトップバッター。最初の歌はゆっくりとしていて、繰り返す度によくなっていく。彼らの曲はバンド名の通りサイケデリックで、彼らが着ているトラウザーの通りにもまたサイケデリックなのである。何曲かは少しトリミングできる可能性はあるかもしれないけど、それでも僕たちを退屈させない。それは鋭くて予測できない新しい波が彼らの音楽から寄せては返すからだろう。ラストの曲では1つのビートを何度も何度も繰り返していた。それはもっとポジティブでそんなにパラノイドしていないClinicに聞こえた。彼らのプレイは今夜ロックンロールの楽しみが僕たちを待っていることを知らしめてくれたんだ。Good work, boys!
The UndertonesのボーカリストがJunior Seniorになったみたいにステージ上で暴走しているのはDo The Boogie。シザーキックをし、ギターを振り回し、エアーギターをしたくなっちゃうようなパンク・ロック・モンスターだ。ステージ上でのパフォーマンスからみなぎる彼らのボリュームやエネルギーはThe Hivesもかすむほどのしろものだ。また観客もタップやクラップ(手拍子)をせずにはいられない。でもギターリストの秋谷圭が急に予想もしないダイブをするときは逃げなくてはならないからさすがにできないけど。
短時間ギグを中断してClear And Refreshingのライターが彼のプランを片言の日本語で説明した。かなり緊張してたし、ほろ酔いだったらしい。そのプランとは東京でミュージシャンやバンドをサポートしてクリエイターのコミュニティを作るといったものである。(詳しくはこちら)観客は辛抱強く彼の話を聞いてくれたし温かい反応をしてくれたので、次のクソかっこいいボイラースーツの服を着たThe Positivesの到着によって報われたのだ。The Positivesは壮大なインディーロックとすっごくヘビーなガレージブルースをミックスしたようなプレイをする。彼らの音楽のポイントは彼らのパフォーマンスのエナジーと情熱だ。しかも彼らのリフは僕らを引き込むしそのギターに釘付けだ。
今夜のギグのオーガナイズをしがらも、The Glamはヘッドライナーにはならなかった。The Glamは何気なく不機嫌に靴は履かず自信ありげにステージにあがった。ダンシング・フラワーのようにステージの前で今までずっと踊り続けていたにもかかわらず、ヴォーカリストの美咲Cからは疲れた様子も見えない。短くダイレクトなビートルズのハーモニーでスタート。この曲が今夜実際グラム(←バンド名ではなく「グラム」というジャンル)に近い曲であろう。The Glamの楽曲は様々なところから影響を受けていることがよくわかるし、以前にどこかで聴いたことがあるような気持ちにさせられる。そのような濃縮した楽曲を一度に聴けたことにラッキーだと感じた。
金切るギターが炸裂し、雷のようなベースとドラムとのバトル。それはグラナダ・ファクトリーの内部紛争のようだ。全体を通して美咲は無関心に喋っているような歌い方をするし、ともにいも冷静にベースを弾き続ける。この光景はまるで感情のない子供たち(美咲Cとともにい)が夫婦のバトル(ギター・ベース)をバルコニーからそっと見下ろすかのよう。ドラマーの教授は後で静かに権力を保ち、スタートとストップ確実に使い分け、黙々と確実にテンポを守りながらも、このバトルを見張っているのだ。このすばらしいハーモニーとビューティーはこのバイオレンス・ショウに由来するものであって、つまりThe Glamはすばらしいスキルを持つソングライター達であり、ミュージシャンなのである。
最後に、The Glamが彼らが企画するギグでヘッドライナーではなくサポートバンドにまわったという事はきっと何か特別な理由によるものなのであろう。OK.じゃぁ次にヘッドライナーの阿斗を紹介しよう。カーテンが開くとの奇抜な衣装を着た3人が、クラウトロック・ビートに合わせて弾みながらプレイをする。ステージの真ん中にあるマイクスタンドには誰も居ない。突然ベルベットジャケットに大きなボルカドット模様のネクタイをつけた”シド・ヴィシャス”が部屋の奥から飛び出してきた。彼はマイクをスタンドから掴み取り、マイクに向かって叫びだした。ちょっと精神が病んでいるような感じで常に誰かを睨み付けている。会場にいる皆を一人ずつ。そして気違いのようににやりと笑う。観客とのコミュニケーションは限られている。ほとんどただ観客に向かって叫ぶのみ。でも彼らの”ライオット・パフォーマンス”や獰猛でワイルドでポストパンク的なエネルギーが僕らを魅了する。彼らのセットがついに終わった途端、すぐステージを後にした。興奮して息を切らした観客の拍手と足が床を叩く音が猛烈にアンコールをした。今夜のバンドをみる機会に恵まれたとしたら、是非見に行って欲しい。だけど今夜高円寺にいた約50人にとって、全部のバンドを一夜で見れたことはとってもラッキーだった。 -Translated by Kaname, Jul.04.04
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